下ごしらえの道具は、キッチンバサミ・バット・ザルのように「片手で出せて、まるごと洗えるもの」から順に揃えると定着します。切れ味や多機能さで選んだ道具ほど、引き出しの奥で眠りがちなんですよね。
前提として、この記事で扱うのは1つ数百円〜3,000円前後で買い足せる、いわゆる調理小物の範囲です。一人暮らしでも家族世帯でも共通して使える「切る・受ける・保存する」の3系統に絞って並べていきます。
わたしも「便利そう」という理由だけで手を出しては、使わないまま場所だけ取る、という遠回りをしてきました。その失敗も含めて、「疲れて帰った日に自分が手に取るか」という一点で整理していきますね。
下ごしらえの調理器具は何を基準に選べばいい?
結論:「性能」ではなく「取り出す・洗う・置く」の手数で選ぶ
道具選びでいちばん効くのは、機能の多さではなく手数の少なさです。
どれだけ優秀でも、棚の奥から引っ張り出して、組み立てて、あとでバラして洗う——この工程が挟まった時点で、金曜の20時に帰宅したわたしはまず使いません。
わたしの基準はシンプルで、「片手で取り出せる」「まるごと洗える」「置き場所が決まっている」の3つ。この3つを満たさない道具は、買って3か月経っても使用回数が数えるほどで止まりがちです。
「工程を消す道具」と「工程を速くする道具」を分けて考える
下ごしらえグッズは、ざっくり2種類に分けられます。ここを混ぜて買うから、道具ばかり増えて日々が変わらないのだと思っています。
- 工程そのものを消す道具:キッチンバサミ(まな板を出さずに済む)、カット済み野菜、電子レンジ調理器(鍋と火を使わない)
- 工程を速く・ラクにする道具:スライサー、みじん切り器、ピーラー、マッシャー
疲れている日に効くのは、圧倒的に前者です。「速く切れる」より「切らなくていい」のほうが、途中で心が折れにくい。
後者は、仕込みの習慣がある人にはとても強い味方になります。ただ優先順位としては、工程を消す側をひと通りそろえてから足すほうが失敗が少ないです。
「洗うパーツが何点か」を数えてから買う
多機能な道具ほど使わなくなるのは、気分の問題ではなく、単純に片付けの手数が増えるからです。
刃・容器・フタ・パッキン・ハンドルと分かれる道具は、洗う対象が3〜4点になることも珍しくありません。包丁とまな板なら2点、キッチンバサミなら分解しても1〜2点です。
数字にすると当たり前のことなんですが、商品ページを見ているときのわたしはここを数えていませんでした。今は購入前に「洗うパーツはいくつか」「食洗機に入れられるか」を先に確認するようにしています。
※パーツ数や食洗機対応はメーカー・型番によって違うので、検討している商品ページで必ず確認してくださいね。
下ごしらえグッズを買っても使わなくなるのはなぜ?
理由1:しまう場所が「奥」になっている
基準の話の直後にこれを書くのは、購入の前提だからです。
わたしは以前、使用頻度の低そうな道具を奥に、よく使うものを手前に——という、ごく普通の収納をしていました。でも実際は逆でした。
奥にしまった時点で、その道具の使用頻度はゼロに近づくんです。頻度が低いからしまったのではなく、しまったから頻度が低くなった。
今は「手前に置けないなら、そもそも買わない」と決めています。定位置が空いていないなら、それは今の生活に必要ない道具だという判断です。新しく迎えるときは「何を手放して場所を空けるか」もセットで決めます。
理由2:洗い方を先に確認していない
買う前に想像するのは使っている場面で、洗っている場面ではないんですよね。
商品ページで真っ先に見るべきは、使い方より洗い方だと思っています。食洗機に対応しているか、分解が必要か、刃を素手で洗うことになるか。
食器と料理道具の専門店プロキッチンのブランドページ(家事問屋/2026年9月27日閲覧)でも、食洗機対応などの詳細は各商品ページで確認するよう案内されています。ここを見ずに買った道具は、わたしの場合ほぼ例外なく出番が来ませんでした。
理由3:サイズを数字だけで判断している
寸法の数字だけ見ても、正直ピンときませんよね。
よくあるのが、容量だけを見て買った保存容器が冷蔵庫の棚に入らない、という失敗です。フタを閉めたときの高さは容量表示に出てこないので、棚の内寸との差に気づけません。
横倒しにすれば置けますが、それでは汁物を入れられません。容量は見ていたのに、高さと棚の内寸を突き合わせていなかった、という形です。
今は、置きたい場所をメジャーで測って、その数字を買い物メモに書く方法に落ち着きました。冷蔵庫の棚の内寸(高さ)・シンク横の幅・引き出しの内寸、この3つを控えておくと迷う時間が減ります。
なお素材にも向き不向きがあります。金属製のバットやザルは、酸や塩分の強いものを長時間のせ続けると傷む場合があるので、梅や酢漬けなどを扱うときはクッキングシートを敷く、あるいは素材の注意書きを確認してから使うのが安心です。

下ごしらえの便利グッズにはどんな種類がある?
切る・むく系:まな板を出さずに済むかがカギ
下ごしらえの入口で一番重いのが「切る」工程です。まな板と包丁を出して、洗って、拭いて、しまう。この一連が、帰宅後の体には重く感じます。
比較メディア「マイベスト」のキッチンバサミのおすすめ人気ランキング(2026年9月27日閲覧)では、まな板や包丁を出す手間が省けて洗い物も減らせると紹介されています。鶏肉の余分な皮や筋を切ったり、食べやすいサイズに切り分けたりする場面でも使えるとのことです。
スライサーは、包丁では難しい一定の薄さに野菜をそろえられます。厚みが揃うと火の通りも揃うので、炒め物や煮物で「中心だけ硬い」が起きにくくなります。
みじん切り器は、手動または電動で刃を回して玉ねぎやにんじんを細かくする道具です。ハンバーグや餃子のタネ、タルタルソース、離乳食のように同じ大きさに細かく刻む量が多いときに効きます。逆に、少量なら洗う手間のほうが上回ります。
※この記事は比較メディアの解説記事で、更新日や検証製品数は掲載形態によって変わります。最新の内容は各自で確認してくださいね。
水を切る・受ける系:バット・ザル・ボウルは出番が段違い
意外と出番が多いのが、バット・ザル・ボウルといった「受ける道具」です。ボウルの素材とレンジ対応の違いは下ごしらえボウルのおすすめで整理しています。

前述のプロキッチンのブランドページでは、においや汚れが付きにくく丈夫なステンレスの調理器具は下ごしらえに向いていると説明されています。バット・トレー・ザルはサイズが豊富で、同じサイズを組み合わせて使うと調理の時間が快適になるとのこと。
同ページで紹介されている家事問屋のバットには、1/4・1/2・1/2ロング・1/1というサイズ展開があり、バット・角ザル・バットあみ・トレーが同じ規格でそろえられるとされています。実際の外寸は品番ごとに違うので、購入前にメーカー表記(幅×奥行×高さ)を冷蔵庫の内寸と突き合わせてください。
派手さはないのですが、切る・下味をつける・水を切る・冷蔵庫に入れる、のすべてに関わるので、わたしの家でいちばん出番が多いのがこの3つでした。
加熱を任せる系:電子レンジ調理器という逃げ道
「火の前に立ちたくない」日のための道具も、下ごしらえグッズの仲間だと思っています。
同じくマイベストの電子レンジ調理器の解説では、シリコンスチーマーや電子レンジ圧力鍋について、耐熱性のシリコン容器に食材と調味料を入れて加熱するだけで調理が完了し、火を使わないので加熱中に目を離しても大丈夫だと説明されています。
電子レンジパスタ調理器は、容器にパスタと水を入れて加熱するだけで、鍋でお湯を沸かしたり火加減を気にしたりする必要がないとされています。そのままソースを和えられるので洗い物が少なく済む、という点も挙げられていました。
選ぶときは容量表記を見てください。パスタ調理器は「一度に2人分まで」「乾麺100gまで」のように上限が決まっている製品が多く、家族の人数に足りないと結局2回まわすことになります。対応人数や適量が書かれていない製品は、公式の容量(mL)と自分の1回分を比べて判断しましょう。
保存する系:翌日の自分への仕送り
下ごしらえは「今日のため」だけでなく「明日の自分のため」でもあります。
保存容器は、密閉性・スタッキング(重ねて収納できること)・電子レンジ加熱の可否で選び分けることになります。ただ、この3つを全部満たす製品はフタの構造が複雑になりがちで、パッキンを外して洗う手間が増えます。
わたしは「平日に開け閉めするもの=フタが1枚のシンプルな容器」「週末の作り置き=密閉性の高い容器」と分けてから、洗い物のストレスが減りました。
そして繰り返しになりますが、保存容器は容量よりフタを閉めた状態の高さです。1.2Lで高さ10cm前後の容器は、棚の内寸が9cm台の冷蔵庫には入りません。
ピーラー・スライサーの選び方はどこを見ればいい?
結論:刃の向きと「指を守る構造か」で決まる
ピーラーとスライサーは、切れ味よりも刃の向きと安全構造で選ぶと失敗が減ります。
ピーラーは大きく、持ち手に対して刃が横向きの「T字型(横型)」と、縦向きの「I字型(縦型)」に分かれます。T字型はジャガイモやニンジンのように手に持ってむく野菜に向き、I字型は大根やカボチャのようにまな板に置いて上から刃を引く使い方に向いています。
どちらが優れているという話ではなくて、自分がよく買う野菜に合うほうを選ぶだけです。わたしは根菜が多いのでT字型を基本にして、皮の厚いものが来た日は包丁に切り替えています。
スライサーは「指ガードが付属するか」を必ず見る
スライサーで一番こわいのは、最後まで薄切りにしようとして指が刃に近づく瞬間です。
疲れている日ほど注意力が落ちるので、食材を押さえるための指ガード(ホルダー)が付属しているかは、買う前に必ず確認してください。付属していない製品を買うなら、別売りのホルダーも一緒に用意しておくと安心です。
わたしの使い分けは単純で、3枚以上スライスするならスライサー、1〜2枚なら包丁。少量のために取り出して洗うと、かえって手数が増えるからです。
つまずきやすい点:刃のさびと、収納場所
ピーラーもスライサーも、刃が露出したまま引き出しに入れると、他の道具に当たって刃こぼれしやすくなります。
刃カバーが付属している製品を選ぶか、立てて収納できる場所を確保しておくのがおすすめです。うちは引き出しの手前に仕切りを作って、そこだけ刃物置き場にしています。
使ったあとは水気を残さないこともポイントです。ステンレスでも、濡れたまま重ねると点さびが出ることがあります。
スライサーは指ガードが付属するかで決まります。指を刃に近づけずに最後まで薄切りできるので、残り少なくなった野菜をあきらめずに使い切れます。付属しているのは、たとえばこういうタイプです。
キッチンバサミの選び方はどこを見ればいい?
結論:分解できるタイプを選ぶと、洗う心理的ハードルが下がる
キッチンバサミを選ぶなら、まず見るのは切れ味ではなく「刃が開くか(分解できるか)」です。
生の肉や魚を切ったあと、支点(刃が交差しているネジの部分)に汚れが残ると、洗ったつもりでもすっきりしません。わたしは一体型を使っていた頃、そこに肉の脂が残っているのが気になって、結局まな板と包丁に戻っていました。
パカッと2枚に外れるタイプに替えてからは、スポンジがそのまま刃の根元まで入るので、肉を切ることへの抵抗がほぼ消えました。刃を開けるかどうかは商品ページに「分解洗浄可」「セパレート」などと書かれているので、そこを探してみてください。
上で書いた「分解できるか」をそのまま満たすキッチンバサミです。刃がパカッと2枚に外れるので、汚れが残りがちな支点までスポンジが届きます。食洗機にも入るので、生の肉を切った日でも洗うのが億劫になりません。一体型から買い替えるなら、わたしはこの形を選びます。
分解式のデメリットも正直に書いておきます
分解できるタイプは、そのぶん刃を素手で持つ場面が出てきます。洗うときに刃先に指が触れるのが怖い、という声は実際に見かけます。
刃元にカバーが付いたタイプや、ロック機構で外れにくいタイプもあるので、怖さが勝つ人はそちらを選ぶという分かれ方になります。
もうひとつ、分解式は使うたびに「外す・洗う・戻す」が発生します。1日に何度も使う人ほど、この往復が地味に増える点は知っておいてください。
「まな板を出さない」を実現するには、切る場所も考えておく
ハサミを買っても、結局まな板の上で切っているなら工程は減っていません。
わたしは、肉のパックの上、鍋やフライパンの上、ボウルの上、のどれかで切るようにしています。受ける道具が手前にあると、この動きがつながるんですよね。
だからキッチンバサミとバット・ボウルは、セットで手前に置いておくのがおすすめです。道具は単体ではなく、動線で効きます。
つまずきやすい点:切れないものを無理に切らない
かたい骨やカボチャを無理に切ると、刃が傷む原因になります。硬いものを切る想定があるなら、それに対応した製品かどうかを商品ページで確認してください。
「なんでも切れる」と思って使い、かえって早く駄目にしてしまうのが、わたしがやりがちな失敗でした。用途を絞ったほうが、道具は長持ちします。
みじん切り器は手動と電動のどちらを選ぶ?
結論:使う頻度が週1回未満なら、まずは手動で足りる
前述の通り、みじん切り器はハンバーグや餃子のタネ、離乳食づくりなど「まとめて仕込む料理」で活きる道具です。
つまり、平日の炒め物中心の献立にはあまり刺さりません。ここを見誤ると、買ったのに出番がない状態になります。
洗うパーツは、容器・刃・フタ・パッキンで3〜4点になる製品が多く、包丁とまな板の2点より増えます。電動ならモーター部は水洗い不可のことがほとんどなので、その扱いも確認しておきましょう。
向いている人・向いていない人
- 向いている人:ハンバーグ・餃子・カレーを作る頻度が高い、離乳食や介護食を作っている、まとめ仕込みの習慣がある
- 向いていない人:平日の夕飯が炒め物とスープ中心、洗い物を増やしたくない、収納に余裕がない
わたしの場合は、みじん切りが必要な料理を平日の献立から外したので、出番は休日寄りになりました。
道具を献立に合わせるのではなく、献立を先に決めてから道具を選ぶ。この順番にしてから、無駄買いが減りました。
手動のフードチョッパーなら電源も置き場所も要らず、洗うのは刃と本体だけで済みます。週1回未満の出番なら、まずはここから試すので足ります。
つまずきやすい点:刃の洗浄に気をつかう
みじん切り器で面倒なのは、切ることではなく刃を洗うときです。
刃がむき出しになるタイプは、スポンジを当てるときにどうしても慎重になります。購入前に、刃を持つための取っ手があるか、食洗機に入れられるかを確認しておくと安心です。
手動タイプは玉ねぎ1個程度なら十数回引くだけで刻めますが、粗さがそろいにくい面もあります。仕上がりの均一さを求めるなら電動、洗いやすさと収納を優先するなら手動、という選び方になります。手動を選ぶならみじん切り器はニトリと無印でどう違う?形と手入れで比べるで形と手入れを比べています。
バットやザルはサイズをそろえたほうがいい?
結論:そろえると「どれと合う?」を考える回数が減る
これはわたしが後から気づいて、もっと早く知りたかったと思ったことです。
バットやザルは同じ規格でそろえると重ねたり組み合わせたりできて、「どれとどれが合うんだっけ」と探す時間がなくなります。具体的な選び方は下ごしらえのバット・トレー・保存容器|蓋付きとセットのおすすめにまとめました。
前述のとおり、家事問屋のシリーズでは1/4・1/2・1/2ロング・1/1というサイズ展開があり、バット・角ザル・バットあみ・トレーが同じ規格でそろえられるとされています。この「規格」という発想が、道具選びをずいぶんラクにしてくれました。
組み合わせると何ができるようになる?
同じ規格でそろえておくと、こんな動きがひと続きになります。
- バット+ザル:水切りしたものをそのまま置ける
- バット+あみ:食材の浮き上がりを防ぐ、油や水を切る
- バット+フタ:下味をつけてそのまま冷蔵庫へ
わたしが一番使うのは3つめです。前の晩に肉へ下味をつけて、フタをして冷蔵庫に入れておくだけで、翌日の夕飯が「焼くだけ」になります。
袋で下味をつける方法もありますが、袋は自立しないので冷蔵庫の中で倒れるんですよね。バットなら重ねて置けるので、わたしはこちらに落ち着きました。
わたしが一番使う「バット+ザル+フタ」が、最初からそろっている組み合わせです。1/2サイズは、鶏もも肉2枚に下味をつけるのにちょうど収まります。
それでも、規格統一には弱点がある
ここはわたしが引っかかったところなので、正直に書いておきますね。
規格をそろえるということは、そのシリーズに縛られるということでもあります。気に入ったサイズだけ廃番になったり、買い足そうとしたときに在庫がなかったりすると、途中で統一が崩れます。
もうひとつは高さの問題です。バットとザルとフタを重ねると、どうしても厚みが出ます。冷蔵庫の棚が低い家では、組み合わせたまま入らないことがあるんです。
だからわたしは、いきなり全サイズをそろえるのではなく、壊れたとき・買い足すときに「今ある物と組み合うか」だけを見るという寄せ方にしています。新しいシリーズに乗り換えるより、既にある規格に寄せたほうが、結果的に道具の数が減りました。
収納が苦しい家はスタッキングを最優先に
キッチンが狭いなら、重ねられるかどうかを最優先で見るのがおすすめです。
前述のプロキッチンのブランドページでも、ボウルはスタッキングして入れ子収納ができる点がポイントとして挙げられています。重なるというだけで、引き出しの圧迫感がずいぶん変わります。
買い足すときは、単体の使い勝手だけでなく「今ある物の上に重なるか」も見ておくと後がラクです。縁の形が違うと重ならないことがあるので、同じ形状の製品を選ぶのが無難です。

下ごしらえ道具は大きいほうが便利?使い続けられる道具の見分け方
意外だったのは、小さい道具ほど出番が多いこと
ここが、わたしの中で一番大きな認識の転換でした。
最初は「大きいものを1つ持てば全部まかなえる」と思っていたんです。でも実際は逆で、大きい道具ほど出すのが億劫になり、結局使わない日が続きました。
プロキッチンのブランドページを見ると、家事問屋の下ごしらえザルは9cm・11cm・13cmと小さいサイズから用意されています(2026年9月28日確認)。大きなザルを出すほどではないけれど少しだけ水を切りたい、という場面は実際に多いので、わたしはいちばん小さいサイズを1つ持っておくと出番が増えると感じています。
大きい道具は洗う面積も乾かす時間も増えます。ミニトマトを5個洗うのに直径24cmのザルを出すのは、疲れた日にはやりたくないんですよね。
「兼用できる」と「多機能」は別物
用途がひとつでも、使い道が広がる道具は強いです。
たとえばゴムベラは、混ぜる・すくう・容器の内側をぬぐう・ソースを塗るまで、構造を変えずに用途が広がります。これはアタッチメントを付け替える多機能グッズとは別物です。
構造はシンプルなまま、使い手側が用途を広げられる——そういう道具が長持ちします。逆にパーツを組み替える前提の道具は、組み替えること自体が面倒になって止まります。
「もう1個ほしい」と思えたかで判断する
買ってしばらく経って「もう1個あってもいいな」と思えた道具は、その後も使い続けられていることが多いです。
わたしの場合、小さなボウルとバットがそれでした。1個で足りないと感じた時点で、それは毎日の流れに入り込んでいる証拠なんだと思います。
逆に、1個で持て余している道具は、そのまま使わなくなる道具です。数か月経っても増やしたいと思わなかったものは、自分の生活に合っていなかったということなんでしょうね。
場面から逆算すると、必要な道具が絞れる
「何を買えばいいか」ではなく「どの場面で手が止まるか」から選ぶと、迷いが減ります。
| くじけやすい場面 | 候補になる道具 | 洗うパーツの目安 | 買う前に確認したい点 |
|---|---|---|---|
| まな板を出すのが億劫 | キッチンバサミ | 1〜2点 | 分解できるか/食洗機対応か |
| 皮むきで手が止まる | ピーラー | 1点 | T字型かI字型か/刃カバーの有無 |
| 厚みをそろえたい | スライサー | 2点(本体+ガード) | 指ガードが付属するか |
| 玉ねぎのみじん切りが嫌 | みじん切り器 | 3〜4点 | 刃の洗い方/モーター部の扱い |
| 火の前に立ちたくない | 電子レンジ調理器 | 2点(容器+フタ) | 1回の対応量(人数・g) |
| 洗い物が山になる | バット・ザル・ボウル | 1点ずつ(重ねて洗える) | 規格がそろうか/棚の内寸 |
| 翌日に回したい | 保存容器、フタ付きバット | 2〜3点(本体+フタ+パッキン) | フタを閉めた高さ |
※パーツ数・食洗機対応は製品によって異なります。目安として見て、最終的には各商品ページで確認してくださいね。
道具を買うのと、工程を外注するのはどちらが合理的?
結論:頻度が高い工程は道具、たまにしか来ない工程は外注
これはわたしが長く迷ってきたところなので、判断基準を書いておきますね。
道具を買うのは初期費用のみ、カット済み野菜やミールキットは買うたびに費用がかかる。この違いを押さえると、選び方がはっきりします。
毎日発生する工程(切る・受ける・保存する)は道具側に投資したほうが、回数を重ねるほど1回あたりの負担が下がります。逆に、週に1回あるかないかの工程は、道具を買っても収納と洗い物のコストだけが残ります。
「洗い物の量」まで含めて比べる
費用だけで比べると外注は高く見えますが、わたしが重視しているのはそこではありません。
道具を使うということは、使ったあとに洗う自分がセットで付いてくるということです。カット済み野菜を使えば、まな板も包丁も出さないので、切る時間だけでなく洗い物が丸ごと消えます。
ミールキットのように食材が計量済みで届く形なら、計る・量を合わせるという判断そのものが減ります。疲れた日にきついのは手を動かすことより、「どれをどれだけ使うか」を決めることだったりするんですよね。
わたしの使い分けは「気力の残量」で決めています
いまわたしが置いている線引きはこうです。
- 気力が残っている日:道具を出して自分で切る。安く済むし、量も自由に決められる
- 気力が半分の日:カット済み野菜や下味付きの肉を使う。工程を1つだけ外注する
- 気力がゼロの日:ミールキットや惣菜に切り替える。作らない選択肢も同じ棚に並べておく
火加減を見続ける煮込みのように、道具では短縮できない工程は、材料を入れて放置できる調理家電に任せるという手もあります。ここは道具でも外注でもなく、「待ち時間を自分から外す」という第3の選び方です。
大事なのは、どれか1つに決めないこと。3つとも用意しておいて、その日の自分で選べる状態を作っておくほうが、結局長く回ります。
外注側のデメリットも書いておきます
カット済み野菜やミールキットは、便利な反面、日持ちが短い場合があります。買い置きに向かないので、使う日を決めて買うほうが無駄が出にくいです。
また、内容や量があらかじめ決まっているぶん、家族の好みや食べる量に合わないこともあります。初めて使うときは、少ない回数から試して自分の家に合うかを見るのが無難です。
費用の実額は各サービスや店舗で変わりますし、キャンペーンも入れ替わります。最新の内容は必ず公式の案内で確認してくださいね。
まとめ:下ごしらえの道具は、増やすより「入れ替えて」選ぶ
下ごしらえの便利グッズや調理器具は、見ていくとどれも魅力的です。でも、家に置ける数にも、洗える数にも限りがありますよね。
だからこそ、基準は「取り出しやすいか」「洗いやすいか」「置き場所があるか」の3つに絞るのが近道だと思っています。
- まず整えるなら:キッチンバサミと、バット・ザル・ボウル。毎日の工程に関わるので出番の数が違います
- 時間を縮めたいなら:ピーラー・スライサー・みじん切り器。洗うパーツが増える点と、自分の献立に合うかを先に確認
- 火の前に立てない日には:電子レンジ調理器。1回の対応量が家庭の人数に合っているかがポイント
- 作る余力がない日には:カット済み野菜やミールキット、惣菜。工程ごと外注する選択肢も並べておく
どれが正解というわけではなく、自分の生活のどこで手が止まるかによって、必要な道具は変わります。
わたし自身、道具を増やして解決しようとした時期がありましたが、最後まで残ったのは数えるほどでした。今後は保存容器を棚の内寸に合うものへ買い替えて、使っていない多機能グッズは手放す予定です。
新しい道具を1つ迎えるときは、1つ手放す。この入れ替えのリズムだけ守っていれば、引き出しの奥で眠る道具は増えません。
今日の夕飯も、100点じゃなくて大丈夫です。手前にある道具で、回せるところまで回していきましょう。
よくある質問
下ごしらえグッズは最初に何を買えばいいですか?
最初に買うなら、キッチンバサミと、バット・ザル・ボウルです。まな板と包丁を出す工程を減らせる道具と、受ける道具は毎日の流れに関わるので、出番の数が違います。みじん切り器のような工程特化型は、その工程が自分の献立に週1回以上出てくるかを確かめてからでも遅くありません。
100円ショップの道具では駄目ですか?
使用頻度が低いものや、サイズ感を試したい段階なら十分役割を果たしてくれます。一方で、毎日使うものや力がかかるもの(ピーラー、キッチンバサミなど)は耐久性を優先したほうが、結果的に買い替えが減る場合があります。まず安価なもので頻度を確かめてから、よく使うものだけ買い替えるという順番が失敗しにくいです。
サイズをそろえるのは本当に必要ですか?
必須ではありませんが、迷う時間は減らせます。バットとザルとフタが組み合うと、水を切ってそのまま冷蔵庫へ、という動きがひと続きになります。ただし特定シリーズに縛られる・廃番のリスクがある・重ねると高さが出て冷蔵庫の棚に入らないことがある、という弱点もあるので、買い替えのタイミングで少しずつ寄せる形がおすすめです。
便利グッズを買っても使わなくなってしまいます
置き場所と洗い方を、買う前に決めていない場合が多いです。手前に定位置を作れない道具は、どんなに評判がよくても出番が来ません。新しく迎えるときは「どこに置くか」「何を手放すか」「洗うパーツはいくつか」をセットで決めると、眠る道具が減ります。
この記事で参照した情報
本文で挙げた調理器具の仕様の記載は、次のページの内容にもとづいています。仕様や掲載内容は変わる場合があるので、最新のページでご確認ください。


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