下ごしらえが面倒な日に削れるのは「洗う・切る・皮むき/アク抜き」で、そのうち1つを外すだけで夕飯の重さは変わります。減らし方は道具・順番・買い方の3手だけ覚えておけば十分です。
わたしも仕事帰りの台所で、ごぼうの泥を見た瞬間に心が折れたことが何度もあります。
この記事では、下ごしらえのどこで人が疲れるのかを整理して、その工程を実際に削る手順をまとめました。
- 野菜の下ごしらえが面倒と感じるのはなぜ?原因は工程数より「切り替えの多さ」
- 下ごしらえが面倒な野菜は?里芋・ごぼうが上位に挙がる理由
- 下ごしらえの手間を減らす道具は何が効く?優先順位はこの3つ
- 野菜の下ごしらえの順番はどう決める?「濡れる作業から先に」が基本
- 野菜の下ごしらえで、洗う手間はどこまで省ける?
- 皮むきとアク抜きは省略できる?「買い方で外す」という選択
- なぜ工程が短い時短レシピでも作る気にならない?「払い損」という視点
- 作る時間すらない日は?下ごしらえゼロの選択肢も持っておく
- 下ごしらえは「する/しない」から「どの工程を残すか」へ|カット野菜・冷凍の普及で変わること
- まとめ|野菜の下ごしらえの面倒は、削る場所を決めれば楽になる
- よくある質問
- 参考
- この記事で参照した公式情報
- あわせて読みたい
野菜の下ごしらえが面倒と感じるのはなぜ?原因は工程数より「切り替えの多さ」
結論:面倒の正体は、頭を何度も切り替えさせられること
下ごしらえが重いのは、単純に時間がかかるからではありません。
「洗う→むく→切る→アク抜きする→ゆでる」と、まったく性質の違う作業を数分おきに切り替えさせられるからです。
ちなみに下ごしらえという言葉は、洗う・皮をむく・下ゆでする・乾物をもどすといった、火を入れる前の準備全般を指します。範囲が広いので、「下ごしらえが面倒」の一言には別種の面倒がいくつも混ざっています。だから丸ごと諦めるのではなく、分けて考えたほうが早いんです。
疲れて帰った日は、この切り替えに耐えられません。ひとつ終わるたびに「次は何だっけ」と考えるのが、地味に重い。
わたしが夕飯作りで最初に心が折れるのも、いつもここです。切っている最中ではなく、シンクの前で「まず何からやるんだっけ」と立ち止まった瞬間。
だから最初にやることは「どの面倒か」を1語で決めること
わたしがいま自分に課しているのは、台所に立つ前に、面倒の正体を1語で言うことです。
「泥が嫌」なのか、「刻むのが嫌」なのか、「加熱を待つのが嫌」なのか。
- 泥・土が嫌 → 根菜を今日は使わない、もしくは水煮や冷凍に替える
- 刻むのが嫌 → 道具でまとめて刻む、カット済みを買う
- 待つのが嫌 → 加熱を放置できる方法に替える
このひと言が決まると、次の手が自動的に決まります。逆にここが曖昧なままだと、全部が面倒に見えて動けなくなります。
削れる工程・削れない工程を先に線引きする
先に結論を置いておくと、削っていいのは次の3つです。
- 洗う(皮をむいて食べる野菜・きのこなど、条件つきで軽くできる)
- 切る(道具かカット済みで丸ごと外せる)
- 皮むき・アク抜き(買い方で最初から無い状態にできる)
逆に、生で食べる野菜を洗う工程だけは削りません。ここは手間ではなく安全の話なので、後半で理由を書きます。
下ごしらえが面倒な野菜は?里芋・ごぼうが上位に挙がる理由
結論:最も多く名前が挙がるのは里芋とごぼう
アイデア募集・意見交換サイト「ミルトーク」の掲示板「本当は料理にプラスしたいけれど、下ごしらえが面倒くさい野菜といえば?」には、わたしが確認した2026年9月14日時点で150件のコメントが寄せられており、そこで特に多く名前が挙がっているのが里芋とごぼうです。
コメントは今後も増える可能性があるので、件数は確認日時点の数字として見てください。
理由も具体的で、里芋には「皮を剥くのが面倒」「茹で時間がかかる」「手が痒くなる」、ごぼうには「土を落とすとき汚れる」「あく抜きが面倒」「まな板に色移りする」といった声が並びます。
これ、読んでいて本当に頷いてしまいました。手が痒くなる、という理由で料理をやめるの、わたしだけじゃなかったんだ、と。
ほうれん草・かぼちゃ・いんげんも常連
同じ掲示板では、ほうれん草に「砂を噛んでいることが多いのできれいに洗うのが面倒」、かぼちゃに「固くて切りにくい」、さやいんげんに「筋取りが面倒」といった声も見られます。
じゃがいもは「芽をとるのが面倒」、山芋は「ぬるぬるして面倒」。
並べてみると、面倒な野菜には共通点があることが分かります。
共通点は「調理前に、不快が先に来る」こと
| 面倒の種類 | 挙がった野菜の例 | 何が奪われるか |
|---|---|---|
| 土・泥を落とす | ごぼう、里芋、じゃがいも | シンクを洗う手間が1回増える |
| 皮をむく | 里芋、ごぼう、かぼちゃ、じゃがいも | 手を動かす時間と握力 |
| 手が痒くなる・滑る | 里芋、山芋、長芋 | 中断せずに続ける集中力 |
| アク抜き・下ゆで | ごぼう、たけのこ、ほうれん草 | 火の前で拘束される待ち時間 |
| 刻む | 玉ねぎ(薄切り・みじん切り) | 手首の負担と集中力 |
この並びを見て思ったのは、工程数の多さだけでは説明がつかないということです。
玉ねぎの薄切りだって工程は多いのに、里芋やごぼうほど恨まれてはいません。
上位の野菜に共通しているのは、おいしくなる実感が1ミリも発生していない段階で、痒い・汚れる・手が滑るという不快が先に来ること。ここが後半の「払い損」の話につながります。
対策も単純で、この5種類のうち「今日はどれをやらないか」を1つ決めるだけでいいんです。
下ごしらえの手間を減らす道具は何が効く?優先順位はこの3つ
1位:刻む作業をまとめて引き受ける道具
包丁でのみじん切りは、工程としては1つなのに、体感の負担がとにかく大きい作業です。
家庭用として、容器に食材を入れてハンドルを引くだけで刻める手動のハンディチョッパーや、充電式で押している間だけ刃が回るコードレスタイプが市販されています。手動タイプは容量400〜900ml前後のものが中心で、家電量販店やネット通販での販売価格は1,000〜3,000円台のゾーンが多く、コードレスタイプは5,000円前後から1万円台まで幅があります。価格や在庫は日々変わるので、購入時は各販売店で最新の表示を確認してください。
コードレスタイプについては、レコルト(recolte)のスタッフブログによれば、カップに食材を入れる/カバーをセットしてロック/上から押す、の3ステップで使えると紹介されています。押している間だけ動く仕組みのため、にんじんは粗め、にんにくは細かく、と刻み加減を自分で調整できるとされています。
同じスタッフブログでは、餃子用にキャベツやニラを刻む場面で、包丁なら10分以上かかる作業が数十秒で終わり手も疲れなかった、という書き手個人の感想が紹介されています。あくまで一人の実感なので、そのまま自分の台所に当てはまるとは限りません。
わたしが刻む道具を選ぶときの基準は「洗うパーツが3点以下か」
正直に書くと、わたしは最初「道具を買えば下ごしらえが全部楽になる」と思っていました。
でも実際に使い続けられるかを分けたのは、切れ味ではなく洗う手間でした。最初に選んだ分解の多いタイプは、洗うのが億劫で数か月のうちに棚の奥へ行ってしまい、いまはパーツの少ないシンプルなものだけが定位置に残っています。
わたしがいま見るのは、この3点です。
- 洗うパーツが3点以下か(刃・カップ・フタで完結するか。ハンドル内部まで分解が必要なものは、疲れた日に触らなくなる)
- パッキンが外れる/外さなくていいか(外して洗うタイプは戻し忘れると漏れる。ここが一番脱落しやすい)
- 刃を素手で洗わずに済むか(スポンジで直接触る形状だと、洗うのが怖くて後回しになる)
刻むのが数十秒で終わっても、分解と洗浄に3分かかるなら、結局その日は包丁を選んでしまいます。
だからわたしは、店頭でもまずフタを開けて、外れる部品の数を数えるようになりました。
2位:切ったものをそのまま移せる道具
意外と見落とされているのが、切った後の移動です。
まな板の上で刻んだ野菜を鍋やフライパンに移すときにポロポロこぼれる。あの数秒のストレス、地味に効きます。
具材を角にかき集めてそのまま流し込める形状のまな板(すくえるまな板)も市販されており、価格帯は1,000〜3,000円台のものが多く見られます。
これは向き不向きがはっきり分かれる道具だと考えています。まな板を立てて収納している人・一度に複数の野菜を切って別皿に分けたい人には合いません。反りのある形なので置き場所を選びますし、途中で別皿に避ける動きとは相性が悪いからです。
逆に、切った野菜を切った順にそのまま鍋へ入れていく人には効きます。わたしは完全に後者なので、移す工程で散らかるストレスが減りました。
3位:加熱を放置できる道具
下ごしらえの中で「待ち時間」が面倒な人には、加熱を任せられる調理家電が向きます。電気圧力鍋は容量2〜3L前後の小型から6L級まであり、販売価格は1万円台から3万円台が中心のゾーンです(こちらも変動するので最新は販売店で確認を)。
電気圧力鍋のように、材料を入れてスイッチを押したら放っておけるタイプの家電は、圧力をかけている時間そのものは短く済みます。
ただしここは注意が必要で、予熱(圧力がかかるまで)と減圧(圧力が抜けるまで)の時間を足した総所要は、製品や食材の分量によって変わります。「鍋より必ず早い」とは言えません。予熱・減圧にそれぞれ10分前後かかる製品もあるので、調理時間の表示だけを見て判断しないほうが安全です。正確な目安は各メーカーの取扱説明書に記載があります。
それでも効くのは、台所に立ち続けなくていい時間が生まれることです。火のそばを離れられるだけで、その間にお風呂の準備ができたり、子どもの話を聞けたりします。
なお、加熱を家電に任せる方針にすると、今度は「どの家電を選ぶか」という別問題が発生します。

刻む作業をまとめて引き受ける道具として本文で触れた、コードレスタイプはこれです。
野菜の下ごしらえの順番はどう決める?「濡れる作業から先に」が基本
結論:洗う→切る→加熱、の順に固定してしまう
道具より先に効くのが、順番です。
順番を毎回決め直さなくて済むと、それだけで頭の負担が減ります。わたしが固定しているのは、この並びです。
1. 洗う作業を全部まとめて先に終わらせる
2. まな板を拭いて、切る作業をまとめる
3. 加熱に入ったら、その間に片付ける
「濡れる作業」と「乾いた作業」が行ったり来たりすると、手を拭く回数が増えて、それだけで疲れます。
なぜこの順番が効くのか
順番が悪いと詰まるのは、作業そのものではなく「場所」です。
シンクが洗い物で埋まっている、まな板が濡れている、切ったものを置くスペースがない。この三重苦で、わたしは何度も諦めました。
道具を出しっぱなしにしたまま次の工程へ進むと、狭いキッチンでは作業スペースが先に尽きます。そうなると一つの動作にいちいち余計な移動が挟まって、体感の疲労が跳ね上がります。
だから今は、切る前に必ずシンクを1回空けます。これだけで、後半の詰まり方が変わります。
待ち時間が出る作業は、いちばん最初に仕掛ける
順番の話でもう1つ。待ち時間が発生する作業は、最初に仕掛けてしまいます。
- 水にさらすものは、他を切る前に水に入れる
- レンジで加熱するものは、フライパンを温める前にスタート
- 湯を沸かすなら、鍋を出した瞬間に火をつける
待ち時間は「待っている間に別のことができる時間」なので、後ろに置くほど損をします。
疲れた日は、順番より「工程を1つ消す」ほうが早い
ただ、気力がゼロの日は順番の最適化すら重いです。
そういう日は、順番を考える代わりに工程を1つ丸ごと消します。
わたしの基準は「今日は切らない」。カット済みの野菜か、切らずに使えるものだけで組み立てる。
順番を整えるのは「あと少し頑張れる日」の技で、限界の日は引き算の一手だけでいい、と割り切っています。
野菜の下ごしらえで、洗う手間はどこまで省ける?
結論:条件つきで軽くできるが、生食用は削らない
洗う工程は、軽くできる部分と、絶対に削れない部分がはっきり分かれます。
玉ねぎ・にんにくのように外側の皮を完全にむいて使うものについては、わたしはむいた後の面が汚れていなければ、すすぎを短く済ませています。これは公的な基準に基づく判断ではなく、あくまでわたしの家での割り切りなので、気になる方は洗ってください。
土付きで流通する大根やにんじんは、皮をむく前提でも、泥が手やまな板・ピーラーに移ります。一度さっと流してからむくほうが、結局あとの片付けが楽なので、わたしはここは省いていません。
皮ごと食べる場合は当然、しっかり洗います。
きのこは水に浸けない、が扱いやすい
きのこ類は、水に浸けると水分を吸って食感や風味が落ちやすいため、濡らしたキッチンペーパーで汚れをぬぐう方法がよく紹介されています。しいたけやまいたけはこれで足ります。
一方でなめこはぬめりを軽く落としたいので、ザルに入れてさっと水をかけます。
「洗わなくていいものがある」と知っているだけで、シンクの前に立つ時間が短くなります。
生で食べる野菜を洗う工程は削らない
ここは削ってはいけないところです。
東京都港区のホームページでは、生野菜を原因とする腸管出血性大腸菌O157の食中毒が発生していること、腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌は動物の腸管内に生存し、ふん便とともに排出されて農業用水や堆肥などを介して農産物を汚染する可能性があることが説明され、生野菜はよく洗って食べることが呼びかけられています。
わたしは「面倒を減らす」ことを一番に考えている人間ですが、ここだけは削りません。削っていいのは手間であって、安全ではないからです。
色・におい・ぬめりなど、少しでも異常を感じたときは、食べずに処分してください。見た目で「まだ大丈夫そう」と判断するのは危険です。
洗う工程を軽くする、現実的な手
洗う作業自体をなくせない場合は、まとめてしまうのが早いです。
- その日使う野菜を、最初に全部まとめて洗う
- 葉物は1枚ずつはがして流水に当てる(キャベツ・レタスなど)
- 根元が密集した小松菜やほうれん草は、根元に十字の切り込みを入れてから、水を張ったボウルでふり洗いする
- ブロッコリーは房を下にして水に浸け、水の中で軽く振る
ごぼうのように土の中で育つ野菜は、表面の窪みに土が残りやすいので、タワシやブラシを使います。ただし強くこすりすぎると香りの部分まで削ってしまうので、力は控えめで十分です。
ちなみに「ふり洗い」というのは、水を張ったボウルの中で野菜を軽く振って汚れを落とす洗い方のこと。こすらずに済むので、根元の砂を落とすのに向いています。
皮むきとアク抜きは省略できる?「買い方で外す」という選択
結論:速くするのではなく、最初から無い状態で買う
皮むきとアク抜きは、道具でも順番でも大きくは減りません。手を動かす総量がほぼ決まっているからです。
だからわたしは、この2つについては「速くする」のを諦めました。代わりに、工程が最初から済んでいる形で買います。
先ほどのミルトークの掲示板にも、里芋は皮むきとヌルヌルが面倒なので冷凍食品を使っている、たけのこは下茹でが面倒なので水煮を買っている、という声が投稿されています。
冷凍より生のほうがおいしいと分かったうえで、それでも冷凍を選んでいる。この割り切り方が、すごく現実的だと思いました。
「手抜き」ではなく「工程の買い替え」と考える
カット野菜や水煮、冷凍野菜を使うことに、うしろめたさを感じる人は多いです。
わたしもそうでした。でも、ある時から考え方を変えました。
これは料理をサボっているのではなく、皮むきとアク抜きという工程を、お金で先に済ませてもらっているだけです。
- 冷凍の里芋 → 皮むきと下ゆでが済んでいる
- たけのこの水煮 → アク抜きが済んでいる
- カット野菜 → 洗いと切りが済んでいる
- 市販の合わせ調味料 → 分量を量る工程が済んでいる
どれも「作らない」のではなく「その工程だけ外している」。ここを言葉にできてから、わたしはずいぶん気が楽になりました。
「割高」「栄養が落ちる」という反論をどう考えるか
ここで必ず出てくるのが、カット野菜は割高だし栄養も落ちるのでは、という指摘です。無視できない話だと思っています。
まず割高については、その通りの面があります。同じ重量あたりの単価は、丸ごと買うほうが安いことがほとんどです。ただわたしは、丸ごと買って使い切れずに傷ませた回数を思い出すと、単純な単価比較では判断できないと考えるようになりました。捨てた分は丸ごと損なので、使い切れる量を買うほうが結果的に安く済む日もあります。
栄養については、加工や水さらしの工程で水溶性のビタミンなど一部が減る可能性を指摘する情報があります。ただ、どのくらい減るかは商品や製法で変わるため、「栄養がない」と言い切るのも「まったく変わらない」と言い切るのも無理があります。わたしは、減る可能性はある前提で、その日に野菜をゼロにするよりはいい、という程度に受け止めています。
そのうえでわたしの使い分けは、気力がある日は丸ごと、ない日はカット済み。全面的にどちらかへ寄せるのではなく、割高さと手間を天秤にかける回数を減らすのが狙いです。
ただし、外しっぱなしにすると起きること
正直に言うと、わたしはカット野菜に頼りきった時期に、冷蔵庫の中身が全部「使い切り前提のもの」になって、逆に買い物の回数が増えたことがあります。
カット野菜は袋に消費期限が印字されていて、製造から数日程度と短めに設定されている商品が多く、開封後はその日のうちに使い切るよう案内されているものが一般的です。実際の期限は商品ごとに違うので、必ず袋の表示を確認してください。
つまり「まとめ買いして週の後半に使う」という発想と相性が悪いんです。
なので今は、週の前半はカット済み中心、後半は日持ちする根菜や冷凍中心、という緩い使い分けにしています。
完全にどちらかに寄せるより、こっちのほうが結果的に回っています。

なぜ工程が短い時短レシピでも作る気にならない?「払い損」という視点
結論:人を止めるのは作業量ではなく、報われない可能性
ここが、わたしがこの記事でいちばん書きたかったところです。
面倒な野菜の上位に共通しているのは、先にコストを払わされて、リターンが後回しか、最悪ゼロになる構造でした。里芋は、おいしさを味わう前に手が痒くなる。
同じ構造は、料理そのものにもあります。料理メディア「macaroni」の「もう作りたくない料理ランキング」(わたしが確認した2026年9月14日時点で公開中の記事)では、1位がコロッケ(20票)、2位がカニクリームコロッケ(18票)、3位がレバーのフライ(17票)と、上位を揚げ物が占めています。票の集計時期は同記事から読み取れないため、傾向として見ています。
同記事では、気合いを入れて作ったのに盛大に失敗すると落ち込み、失敗の大きさによってはトラウマになることもある、と書かれています。コロッケには揚げているときに爆発したという声も寄せられています。
里芋の痒さと、コロッケの爆発。作業量そのものより、「払い損になるかもしれない」という感触が人を止めているのだと思います。
だから疲れた日は「払い損が起きない料理」を選ぶ
時短レシピを探すより、この分け方のほうが実用的でした。
- 炒める・煮る・焼く → 味が濃くなりすぎても、汁物や白米で調整できる
- 揚げる・包む・成形する → 失敗すると作り直しがきかない
コロッケが食べたい日は、揚げない形にする手もあります。これは味の妥協ではなく、一番リスクの高い工程を外す判断です。
わたしが「工程は短いのに作る気にならない時短レシピ」の理由をようやく理解できたのも、この視点が入ってからでした。工程が短くても、失敗が怖ければ気力は湧きません。
ついでに、むかない選択は無駄とも限らない
皮を厚くむきすぎて食べられる部分まで落としてしまう「過剰除去」は、家庭の食品ロスの一因とされています。貝印のプレスリリースでは、環境省の2020年度推計として、家庭系食品ロスのうち過剰除去が年間32.8万トンにあたる数値が紹介されています。推計値は年度ごとに更新されるため、最新の数字は環境省の公表資料をご確認ください。
むかない・買って外す、という選択は、必ずしも無駄を増やす方向ではないということです。
作る時間すらない日は?下ごしらえゼロの選択肢も持っておく
結論:下ごしらえを減らす最終形は「下ごしらえをしない」
ここまで道具と順番の話をしてきましたが、どうにもならない日はあります。
そういう日のために、下ごしらえという工程そのものが存在しない選択肢を、あらかじめ2つくらい持っておくと安心です。
- スーパーや惣菜店で買って帰る
- 冷凍食品を温める
- ミールキットを使う
どれも「今日は作らない」という判断であって、失敗ではありません。
ミールキットは、下ごしらえが済んだ状態で届く
ミールキットは、レシピとそれに必要な具材がセットで届く商品です。野菜がカットされているものを選べば、焼いたり炒めたり煮たりするだけになります。
たとえばオイシックスのミールキット「Kit Oisix」は、公式の案内によれば20分で主菜と副菜が作れる食材セットとして提供され、毎週20メニュー以上が用意されているとされています。専門家監修の「シェフ」シリーズや子ども向けの「キッズ」、「ヴィーガン」レシピなどのシリーズがあります。
料金やメニュー内容、提供シリーズは変わることがあるので、検討するときは公式サイトで最新の情報を確認してください。
はじめて試すなら、Kit Oisix入りのおためしセットから中身を見るのが分かりやすいです。どのくらい切る手間が消えるかは、実物のメニューを見たほうが早いと思います。![]()
選択肢があるだけで平日の圧が減る理由
わたしが実感しているのは、使うかどうかより「ある」と知っていることの効果です。
冷凍庫に何かひとつ入っている、注文すればいい、という逃げ道があると、平日の夕方に感じる圧が明らかに減ります。
逆に、逃げ道がないと「今日も全部自分でやらなきゃ」という前提で1日を過ごすことになります。判断を保留できる状態そのものが、気力を温存してくれるのだと思います。
わたしが今、何を基準に選んでいるか
疲れ具合を3段階に分けて、事前に決めておく形にしています。
| 今日の気力 | 下ごしらえの扱い | 具体的な動き |
|---|---|---|
| まあまあある | 順番を整えてやる | 洗う→切る→加熱の順に固定して回す |
| 少ない | 工程を1つ外す | カット済み・水煮・冷凍で「切る」を消す |
| ゼロ | 下ごしらえをしない | 惣菜・冷凍・ミールキットに切り替える |
これを決めておくと、台所で悩まなくて済みます。悩まないこと自体が、いちばんの時短になりました。

下ごしらえは「する/しない」から「どの工程を残すか」へ|カット野菜・冷凍の普及で変わること
結論:問われるのは腕前ではなく、外す工程を選べるかどうか
カット野菜・水煮・冷凍野菜・ミールキットと、工程が済んだ状態で買える選択肢は増え続けています。
日本惣菜協会の「惣菜白書」では、弁当・惣菜などのいわゆる中食にあたる惣菜市場の規模が長期的に拡大傾向にあることが示されており、家庭の外で下ごしらえが済んだものを買う行動自体が、特別なことではなくなってきています(各年版で数値が更新されるため、最新版の公表値をご確認ください)。
そうなると家庭で問われるのは、「どれだけ自分で下ごしらえできるか」ではなく、どの工程を自分の手元に残すかを選べるかのほうに移っていきます。
わたしが手元に残そうと思っているもの
全部を外すと、たぶん食卓がつまらなくなります。
わたしが残したいのは、味を決める最後のひと手間のほうです。塩を足すか、レモンを搾るか、温めるときに一緒に野菜を入れるか。
逆に、痒くなる・汚れる・待たされるという「不快が先に来る工程」は、迷わず外していいと今は考えています。
判断基準を持っている人が、いちばん楽になる
選択肢が増えると、今度は「何を選ぶか」で悩む時間が増えます。
だから、気力3段階のような自分なりの分岐をあらかじめ決めておくことが、これからもっと効いてくるはずです。
まとめ|野菜の下ごしらえの面倒は、削る場所を決めれば楽になる
下ごしらえが面倒なのは、根性が足りないからではありません。
土を落とす・皮をむく・手が痒くなる・アクを抜く・刻む、という性質の違う作業を、疲れた体で切り替え続けるのが単純にきついからです。
要点は3つだけです。
- 削れる工程:洗う(条件つき)・切る・皮むき/アク抜き。道具でまとめる、順番を固定する、工程が済んだ状態で買う、の3手で外せる
- 削ってはいけない工程:生で食べる野菜を洗うこと。異常を感じたら食べずに捨てる
- 気力別の分岐:ある日は順番どおり/少ない日は「切る」を外す/ゼロの日は買って済ませる
もし1つだけ変えるなら、わたしは「切る」を外すことをおすすめします。毎日発生するうえに、体力と集中力の両方を使う工程だからです。
100点の夕飯を毎日出す必要はありません。今日の自分が回せる形を選べたなら、それがその日の正解です。
よくある質問
下ごしらえが一番面倒な野菜は何ですか?
ミルトークの掲示板「本当は料理にプラスしたいけれど、下ごしらえが面倒くさい野菜といえば?」(2026年9月14日時点で150件のコメント)では、里芋とごぼうが特に多く挙がっていました。里芋は皮むきと手が痒くなること、ごぼうは土落としとアク抜きが理由として並んでいます。どちらも冷凍品や水煮が市販されているので、疲れている日は工程が済んでいる形を選ぶのが現実的です。
カット野菜や冷凍野菜を使うのは手抜きになりますか?
工程をお金で先に済ませているだけなので、手抜きとは別の話だと考えています。ただしカット野菜は消費期限が短めに設定された商品が多く、まとめ買いには向きません。週の前半はカット済み、後半は日持ちするものと使い分けると回しやすくなります。期限は袋の表示に従ってください。
電気圧力鍋を使えば下ごしらえの時間は必ず短くなりますか?
必ず短くなるとは言えません。圧力をかけている時間は短くても、予熱と減圧を含めた総所要は製品や食材の分量で変わるためです。効き目が大きいのは時間そのものより、加熱中に台所を離れられることのほうだと考えています。
参考
- ミルトーク「本当は料理にプラスしたいけれど、下ごしらえが面倒くさい野菜といえば?」(2026年9月14日確認)
- macaroni「もう作りたくない料理ランキング」(2026年9月14日確認)
- レコルト(recolte)スタッフブログ(コードレスチョッパーの使い方・使用感)
- 東京都港区ホームページ(腸管出血性大腸菌O157・サルモネラ属菌と生野菜の取り扱い)
- 貝印プレスリリース(環境省2020年度推計の過剰除去量を紹介)
- オイシックス公式サイト(Kit Oisixの内容・メニュー数)
- 日本惣菜協会「惣菜白書」(惣菜市場規模の推移)
この記事で参照した公式情報
本文の下ごしらえの手順・保存と、道具の仕様の記載は、次のページの内容にもとづいています。仕様や掲載内容は変わる場合があるので、最新のページでご確認ください。


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