洗い物を減らす方法は、「調理で使う道具を減らす」と「食卓に出す食器を減らす」の2つに絞られます。洗い方を磨くより、そもそも汚れ物を出さない段取りに切り替えるほうが、疲れた日の効きは圧倒的に大きいんですよね。
わたしも以前は、シンクに積み上がった鍋とボウルを前に「今日はもう無理」と立ち尽くしていました。そこから「洗う前に減らす」へ発想を変えたら、夜の重さがずいぶん違ってきたので、その考え方をまとめます。
フルタイム勤務をしながら子育て中で、帰宅後の夕飯作りに何年も苦戦してきました。料理はもともと得意ではなく、市販品や惣菜、調理家電に頼ることにも抵抗がありません。この記事は、そんなわたしが「疲れて帰った日に本当に実行できるか」だけを基準に、いろいろな方法を試しては落としてきた結果です。
洗い物を減らす方法は?結論は「洗う前」で9割決まる
洗い物のつらさは「洗い方」ではなく「出し方」で決まります。洗い始めた時点で勝負はほぼついていて、そこから頑張って削れる時間はわずかです。
洗い終わってから頑張っても、疲れは減らない
洗剤の泡立て方やすすぎ方の工夫は、水道代には効きます。
でも、仕事から帰って夕飯を作り終えたあとの「もう動きたくない」には、あまり効きません。
しんどさの正体は作業時間だけではなく、シンクに積まれた物量を見た瞬間の絶望感だからです。
ここを軽くするには、洗う前の段階で汚れ物の数そのものを減らすしかありません。
減らす場所は「調理の道具」と「食卓の食器」の2か所
東京ガスの暮らし情報サイト「ウチコト」の洗い物を減らすコツに関する記事(公開2017年1月31日/最終更新2024年9月27日)でも、洗い物を減らす工夫は調理段階の道具と食卓の食器という2方向で整理されています。
この分け方は、読んだときにすごく腑に落ちました。わたしはずっと「洗い物=食器」だと思い込んでいたのですが、実際に心が折れていたのは鍋とフライパンとボウルのほうだったんです。
だからこの記事も、道具側と食器側の両方から見ていきますね。
洗い物は「枚数」より「種類」でしんどくなる
ここ、あまり語られていないのに、実感としてはいちばん大きいポイントです。
平皿が5枚あっても、重ねてスポンジを滑らせれば流れ作業で終わります。
でも、フライパン1つ・ボウル1つ・ざる1つ・まな板1枚の合計4点だと、枚数は少ないのに体感は倍しんどい。
立体物は持ち替えが必要、油ものはスポンジを汚す、大物は水切りかごを占領するからです。
減らす優先順位は、次の順番だと思っています。
- 油がついた立体物(フライパン・鍋)
- 場所を取る大物(ボウル・ざる・まな板)
- 平らな皿・茶碗
上のふたつから手をつけるのが、いちばん疲れが減る道です。平皿を1枚減らすより、フライパンを1つ減らすほうが夜が軽くなります。
わが家で数えた「洗った数」の実際
数字の感覚を持っておくと判断が速くなるので、ある週の平日に、夕飯1食で洗った物の数を自分で数えてみました。
その週の水曜日は12点。主菜をフライパンで作り、副菜を小鍋で茹で、味噌汁を別鍋で作った日で、内訳はフライパン1・鍋2・ボウル1・ざる1・まな板1と、家族分の食器でした。
段取りを変えた金曜日は5点。カット野菜を使ってフライパン1つで主菜まで仕上げ、盛り付けをワンプレートに寄せた日で、フライパン1・ワンプレート・汁椀・箸という内訳です。
あくまで我が家の献立と家族構成での数え方なので、みなさんの家では前提が変わります。目安として見てくださいね。
| 献立のかたち | その日に洗った数 | 内訳の例 |
|---|---|---|
| 主菜+副菜+汁物を別々に作った日(水曜) | 12点 | フライパン・鍋2つ・ボウル・ざる・まな板・食器 |
| 袋カット+フライパン完結+ワンプレートの日(金曜) | 5点 | フライパン1つ・ワンプレート・汁椀・箸 |
数えて驚いたのは、減ったのが枚数だけではなく「種類」だったことです。ボウルとざるとまな板が消えた日は、片づけの気が重くならない。逆に皿が2枚増えても、たいして変わりませんでした。
今夜だけやるなら、この3つ
いきなり全部は無理なので、気力ゼロの日にやることを3つだけ決めておくとラクです。
- 盛り付けはワンプレートか丼に寄せる
- 混ぜる作業はポリ袋かフライパンの中で済ませる
- まな板を出さずに済む食材を選ぶ
これだけで、シンクの景色はかなり変わります。
食器の洗い物を減らすには?ワンプレートが向く日と向かない日
食卓側の対策では、ワンプレートがいちばん確実です。一汁三菜のような配膳から寄せると、1人あたりの食器が2点まで下がります。ただし向かない日があるので、そこを知らずに毎日やろうとすると、かえって疲れます。
ワンプレートで食器の枚数はこう変わる
一般的に一汁三菜の形で並べると、1人あたり茶碗・汁椀・主菜の皿・副菜の小鉢…と、4点前後になります(わが家の食器の持ち方での数え方です)。
ここをワンプレートに寄せると、どう変わるかを表にしました。
| 配膳のかたち | 1人あたりの食器(目安) | 向いている日 |
|---|---|---|
| 一汁三菜に近い配膳 | 茶碗・汁椀・主菜皿・小鉢など4点前後 | 気力のある日/来客のある日 |
| ワンプレート+汁椀 | 大皿1枚+汁椀1つの2点 | 平日の夜、疲れている日 |
| 丼もの・カレーなど1皿完結 | 丼またはカレー皿1枚 | 週の後半、限界の日 |
| 使い捨て食器 | 食器の洗い物は0点 | どうしても動けない日 |
※使い捨て食器でも、調理に使った鍋やフライパンは残ります。「食器だけがゼロになる」という意味で見てくださいね。
ウチコトでも、ワンプレートと並んで丼ものが挙げられ、洗い物に疲れてくる週の後半向きのメニューとして紹介されています。この「週の後半」という表現、わかりすぎて笑ってしまいました。疲れは曜日で積み上がりますもんね。
なぜ最近こんなにワンプレート提案が増えたのか
ここはわたしなりの読み解きです。ワンプレートが「おしゃれな盛り付け」から「平日の生存術」に扱いが変わった背景には、共働き世帯の増加があると思っています。
厚生労働省の「令和4年版 厚生労働白書」などでも、共働き世帯は1980年代以降に増え続け、いまや「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」を大きく上回る数になったことが示されています。夕飯にかけられる時間が短い家庭が、多数派になったわけです。
もうひとつは、食洗機や調理家電が家庭に入ってきたこと。食洗機に入れる前提だと、大きくて平らな皿のほうが扱いやすいんですよね。
深い小鉢を人数分並べる配膳は、洗う工程とも乾かす工程とも相性がよくありません。
つまりワンプレートは、見た目の流行というより片づけの都合から逆算された配膳。そう捉えたほうが、自分の生活に取り込みやすくなりました。
汁物をどうするかで、ワンプレートの成否が決まる
ワンプレートにしても、汁椀が人数分残ると減った気がしません。
わたしがよくやるのは、汁物を「具だくさん」にして副菜の代わりにしてしまうこと。
豚汁や具沢山の味噌汁にすると、おかずの小鉢が1つ減ります。汁椀は残りますが、小鉢とざるとボウルが消えるのでトータルでは軽くなります。
逆に、汁物を省いてお茶だけにする日もあります。コップは軽いので、体感がまったく違うんですよね。
丼・カレー・麺…「1皿完結」の落とし穴
もっと限界に近い日は、丼ものやカレーに逃げます。丼は器1つ、麺類も鉢1つ。ワンプレートよりさらに強い手です。
ただし、麺は鍋が汚れるという落とし穴があります。ゆで汁の処理もあるので、「食器は減るけど鍋は増える」と覚えておいてください。
食器を減らしたいのか、鍋を減らしたいのか。ここを意識できるようになると、メニュー選びがぐっとラクになります。
ワンプレートが向かない日もある
最初、わたしはワンプレートを「おしゃれで楽な万能技」だと思っていました。
でも実際にやってみると、彩りを気にして盛り付け始めた瞬間、時短ではなくなるんです。
ウチコトでも、カフェ風の盛り付けを意識すると充実して見えると紹介されていて、それ自体は本当だと思います。休日ならとても楽しい。
でも平日の夜にそれをやると、皿は1枚なのに気力を余計に使います。
だからわたしは、平日は「並べるだけ」、休日は「盛り付ける」と割り切ることにしました。
汁気の多いおかずと乾いたおかずを同じ皿に乗せると、味が混ざって家族から不評になることもあります。そういう日は、素直に小鉢を1つ足したほうが平和です。

ワンプレートに寄せる日は、仕切りのある皿が1枚あると迷いません。軽くて食洗機に入るタイプなら、洗う側の負担も増えずに済みます。
調理の洗い物を減らすには?まな板・ボウル・鍋を出さない段取り
食器より先に手をつけたいのが調理側です。ここを削ると、洗い物の「種類」が減るので体感が大きく変わります。
袋の上から切れば、まな板も包丁も汚れない
ウチコトで紹介されているコツのひとつが、パンや油揚げを袋の上から切る方法です。袋入りのまま切れば、まな板も包丁もほとんど汚れません。
ハムやベーコン、えのきの石づきを袋のままカットする工夫もよく見かけます。
わたしがやっているのは、包丁を前後に動かさず、上から真っすぐ押さえるように切ること。前後に引くと袋まで一緒に裂けてしまうので、押し切りにしてから失敗が減りました。
油揚げのように油分があるものほど、恩恵は大きいです。まな板の油じみって、落ちにくいですもんね。
キッチンバサミは強いが、ハサミ自体を洗う手間が残る
ウチコトでは、キッチンバサミを使えば洗い物が減り、まな板への移り臭も防げると紹介されています。野菜や肉を鍋の上で切ってそのまま入れれば、まな板の出番がなくなります。
ただ正直に書くと、ハサミ自体を洗うのが面倒です。
ここは分解できるタイプかどうかで、後片づけの重さがはっきり変わります。刃が外れるタイプは、ネジの付け根まで洗えるので肉を切った日でも気が楽。一体型は、刃と刃の間にスポンジが届かず、肉の脂を切った日は結局ぬるま湯で流し直すことになりました。
疲れた日にハサミを使うなら、分解できるものを1本だけ用意しておくと、翌朝のシンクが軽くなります。
洗い物削減を長く発信している料理ブログ「MIYU」の洗い物を減らす調理法に関する記事でも、使用済みのキッチンバサミを洗いたくなくて、のりを手でちぎった、というくだりがありました。そこまで追い込まれる気持ち、わたしにはよく分かります。
一人暮らしの洗い物を減らすには、調理側から削る
「洗い物 減らす」で調べる方の中でも、一人暮らしの方と家族がいる方では効く場所がまったく違います。
一人暮らしの場合、食器はもともと少ないので、食卓側を削っても伸びしろが小さいんです。
効くのは調理側。フライパン完結と袋カットで、鍋とまな板を出さない日を作るほうが効果が大きくなります。
小さめのフライパン1つと、耐熱のワンプレートが1枚あれば、平日の夜はだいたい回ります。
切る工程ごと買わない
そもそも切らなければ、まな板も包丁も要りません。
- カット野菜・冷凍のカット野菜を使う
- 肉はひき肉や薄切りを選ぶ
- きのこは手で裂く
Lemon8で洗い物を減らす工夫を発信している「しらす」さんの投稿(2024年公開)でも、カット野菜や冷凍野菜を使えば包丁とまな板の出番が減り、ひき肉や薄切り肉を選べば切る工程自体が減る、と整理されていました。
「手抜き」と感じる方もいるかもしれませんが、買い物の段階で洗い物は減らせるというのは大きな発見でした。
わたしは買い物メモに「疲れてる週はカット野菜」と書き足してから、水曜日の夜がだいぶ穏やかになりました。
ボウルは出さない。ポリ袋・トレー・フライパンで足りる
ウチコトでは、混ぜる作業をボウルではなく食品トレーで行う方法や、ポリ袋に入れて揉む方法が挙げられています。ボウルは大きいので、洗わずに済むと助かるんですよね。
MIYUでも、ボウルは食洗機で場所を取るので苦手で、下味も粉つけも袋の中で完結させる、という考え方が示されていました。切った野菜の一時置きにボウルを使うのはもったいない、という指摘には唸りました。
ボウルは、本当に必要なときだけ出す。それ以外はお皿か袋で足ります。
ハンバーグのようにボウルを使いがちな料理も、フライパンの上で混ぜて形を整え、そのまま焼く方法があります。しらすさんの投稿では、トマトソースで煮込むなら同じフライパンで完結でき、混ぜにくいときはフライパンを傷つけにくいシリコンのヘラを使うとよい、とまとめられていました。
見た目は雑になりますが、味は変わりません。ここは「誰も気にしない」と自分に言い聞かせるところです。
鍋は「使う順番」で洗う回数が変わる
これ、知ってから本当に助かっている考え方です。
MIYUには、茹でブロッコリーと味噌汁を作るなら、先に小鍋でブロッコリーを茹で、鍋を軽くゆすいでから味噌汁を作る、という段取りが書かれていました。順番を逆にすると、無駄に洗い物が増えてしまいます。
メインと副菜の両方でフライパンを使う場合も、先に副菜を作り、水で流してキッチンペーパーで拭き取ってからメインを作れば1つで回ります。
「薄味・淡色のものを先、濃い味・油ものを後」。この一本だけ覚えておくと、鍋もフライパンも1つで済む日が増えます。
ただし、生肉や生魚を扱ったあとは別です。厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」では、細菌を「つけない・増やさない・やっつける」という考え方が示され、生の肉や魚を扱った包丁・まな板は洗って熱湯をかけるなど、他の食品に菌をつけない取り扱いが呼びかけられています。
ここは時短より衛生を優先してください。順番の使い回しは、加熱前の肉・魚が絡まない範囲だけの技だと決めておくと安心です。
そのまま保存できる容器で作る/ホイル焼きに逃げる
常備菜を鍋で作って容器に移す人は多いと思いますが、ウチコトでは、直火やオーブンに使える耐熱容器なら調理から保存まで1つで済む、と紹介されています。
もうひとつ強いのがホイル焼きです。食材をアルミホイルで包んでグリルに入れて放っておくだけなので、鍋も使わず、グリルも汚れにくい。
「洗い物を減らす」と「放っておける」が同時に叶うので、疲れた日との相性がとてもいいんですよね。
なお、グリルの機能や使える容器は機種によって違うので、お使いの機器の取扱説明書を確認してから試してください。

ラップやホイルで洗い物を減らすには?「包む」より「敷く」
ラップは保存用のイメージが強いですが、洗い物の文脈では敷いて汚れを受けるものとして使うほうが効きます。ここを切り替えると、まな板・バット・ボウルの出番が一気に減ります。
敷けば、そのまま包んで捨てられる
粉や調味料を扱う作業では、バットやボウルを出す代わりに作業台にラップを広げてしまえば、終わったあとはくるんで捨てるだけです。
MIYUでも、フライの衣づけでアルミホイルの簡易バットを使い、破れたときのために下にラップを敷いておく方法が紹介されていました。余った粉はそのまま包んで捨てられます。
皿にラップを敷いてから盛り付ける方法もあります。ここまでやるかは好みが分かれますが、動けない日の逃げ道として知っておく価値はあると思っています。
簡易まな板にするときの線引きと注意点
まな板が足りないとき、アルミホイルやキッチンペーパーを敷いて代用する方法も広まっています。MIYUでは、生肉は無理でも、きゅうりやトマト、卵焼き、果物程度なら十分と紹介されていました。
この線引きが大事です。生の肉や魚はドリップが漏れると衛生面が心配ですし、力を入れて切ると破れます。加熱しないものを軽く切るとき限定と決めておくと安心です。
もうひとつ、アルミホイルの上で包丁を使うと、ホイルが切れて細かい破片が食材に混ざることがあります。刃を強く当てない、切ったあとにホイルの状態を確認する、破れたら使い続けない。この3つは守ってください。破れやすいと感じたら、素直にまな板を出したほうが安全です。
ラップの耐熱温度は製品ごとに違う
ラップの耐熱温度は製品によって差があります。たとえば旭化成ホームプロダクツの「サランラップ」は耐熱温度140℃、クレハの「NEWクレラップ」も耐熱温度140℃と、各社の公式サイトの製品情報に明記されています。
一方で、ポリエチレン素材の安価なラップは耐熱温度が110℃程度のものもあります。「ラップは全部140℃」ではないので、必ず手元の製品の箱か公式サイトを確認してください。
そのうえで、各社とも油分の多い食品に密着させた状態での加熱や、揚げ物・オーブン・直火・グリルでの使用を避けるよう案内しています。油は水より高温になりやすく、表示の耐熱温度を超えてしまうためです。
「溶けるかもしれない」とふんわり覚えるより、「油ものとオーブンはNG、それ以外は表示温度まで」と条件で覚えたほうが安全です。
ラップは週2回まで。失敗もセットで覚えておく
正直にお伝えすると、ラップやホイルを多用すればゴミは増えます。
東京ガスが提唱する「エコ・クッキング」は、買い物・調理・食事・片づけの各段階で環境に配慮する考え方で、しらすさんの投稿でもこの枠組みが紹介されていました。洗い物を減らすことは、お湯や洗剤、スポンジの消耗を抑えることにつながります。
つまり、水と洗剤を減らす代わりにフィルムを使う交換をしているわけです。
そこでわたしは、ラップやホイルに頼る日は週2回までと決めました。目安は、水曜と、週の終わりの1日。
回数を先に決めておくと、使う日に罪悪感が出ません。「今日はラップの日」と言えるだけで、夕方の気持ちが軽くなります。逆に毎日やると、ゴミ袋の減りが早くなって別のストレスが生まれました。
やりがちな失敗も、先に知っておくとラクです。
- 敷いたまま熱いものを乗せると、皿にくっついて逆に面倒になる
- ゴミをまとめずに作業台に置きっぱなしにすると、結局片づけが増える
- 使う量が増えるほど、買い足しの手間も増える
2つ目は本当にあるあるです。しらすさんの投稿でも、調理中に出た袋やラップは都度まとめて捨てるだけでシンク周りが散らからない、と触れられていました。
「捨てる場所を先に決める」。地味ですが効きます。
続かない裏技は、技ではなく「助走」が長い
ウチコトには、牛乳パックを切り開いて洗い、乾かして使い捨てまな板にする方法も載っています。肉や魚のように汚れやニオイがつきやすいものに便利です。
最初に読んだときは「天才だ、今日からやろう」と思いました。
でも実際にやろうとして気づきました。切り開いて、洗って、乾かして、ストックする工程が先に必要なんですよね。疲れて帰った日に思いつきでできる技ではありません。
だから今は、これを「疲れた日の技」ではなく「元気な週末に仕込む消耗品」として扱っています。土曜の朝に2〜3枚作って引き出しに入れておけば、平日は取り出すだけ。同じ技でも、置き場所を変えると使えるようになります。
便利な裏技が続かないとき、たいていは技が悪いのではなく、その技を使うまでの助走が長すぎるだけだと思っています。
気力ゼロの日は?洗い物を「ゼロ」に寄せる選択肢
段取りを組む気力すら残っていない日のために、逃げ道も用意しておきましょう。
紙皿は「非常食枠」でストックしておく
ウチコトでも、どうしても疲れたときは紙皿や紙コップに頼る方法が挙げられています。エコの観点では良くないかもしれないけれど、たまになら子どもも楽しめるかもしれない、という書き方でした。
わたしはこれを「非常食枠」だと思っています。
食料の備えと同じで、気力が尽きた日のために紙皿を数枚ストックしておく。使う日が来なければそれでいいし、来たら迷わず使う。
「今日は紙皿でいい」と決められると、それだけで夕方の気持ちが軽くなります。
「作らない」も立派な選択肢
惣菜、冷凍食品、外食、宅配。どれも、洗い物という観点では最強です。
作る時間も気力もない日は、ミールキットや食材宅配のような下ごしらえ済みの選択肢に寄せてしまうのも手です。カット済みの食材が届けば、まな板もボウルも出番がありません。
サービスごとに内容や配送のしくみは違うので、気になる方は各社の公式情報で最新の条件を確認してみてください。
大事なのは、「作らなかった日」を失敗だと思わないことです。
調理家電に任せる日をつくる
もうひとつの逃げ道が調理家電です。
材料を入れてスイッチを押すタイプなら、フライパンや鍋を持ち替えずに済む分、洗い物の「種類」が減ります。前半でお話しした、立体物と油ものを減らす考え方とも相性がいいんですよね。
一方で、内鍋やパッキンなど洗うパーツが増えるタイプもあります。「調理の手間は減るがパーツは増える」ことは、先に知っておくとがっかりしません。
献立で洗い物を減らすなら、曜日で型を決める
「洗い物 減らす 献立」で探している方には、メニュー名より曜日ごとの型を決めるやり方をおすすめします。
わたしの場合はこんな配分です。
- 月・火:フライパン完結の主菜+具だくさん味噌汁(洗い物は中くらい)
- 水:カット野菜+丼もの(1皿完結)
- 木:ホイル焼きか、そのまま保存できる容器で作るもの
- 金:作らない日(惣菜・宅配・外食)
献立を毎日ゼロから考えると、それ自体が気力を食います。型があると「今日は水曜だから丼」で決まるので、決める疲れが減るんですよね。
子どもの年齢で、効く手は変わる
家族がいる家庭は食器の枚数が人数分で効いてくるので、ワンプレートや1皿完結が強くなります。ただ、子どもの年齢帯によって向き不向きが変わりました。
未就学の時期は、こぼす前提なので仕切りのあるプレートが安心です。仕切りがあると味の混ざりへの不満も出にくく、拭き取りもプレート1枚で済みます。
小学生くらいになると、逆に「自分の茶碗がいい」と主張が出てきます。ここで無理にワンプレートを通すと不機嫌が発生するので、わが家は茶碗だけ残して、おかずをワンプレートに寄せる折衷にしました。
食器の枚数より、家族の納得のほうが平日は大事。ここは何度か失敗して学びました。
「今日はこれでいい」をどう決めるか
わたしが基準にしているのは、帰宅した瞬間に自分がどこで折れそうかを先に決めておくことです。
- 玄関で「もう無理」と思った日 → 作らない(惣菜・宅配・外食)
- 着替えながら「切りたくない」と思った日 → カット野菜+フライパン完結
- 「洗い物だけは見たくない」日 → ワンプレートか丼、または紙皿
疲れているときは、選択そのものが負担です。だから、元気なうちに決めておくんです。
洗うときの順番は?拭く・重ねない・油ものは最後
それでも洗い物はゼロにはなりません。洗う量を減らせなかった日は、拭く → 重ねない → 汚れの少ないものから → 油ものは最後 → 溜めすすぎの順で、体感がかなり軽くなります。
洗う前に拭く、汚れた食器は重ねない
汚れがついたまま洗い始めると、きれいにするはずが汚れを広げることになります。先にキッチンペーパーや古紙で拭き取るだけで、スポンジの汚れ方が変わります。
拭った汚れをシンクに流さずゴミとして捨てれば、シンク自体の掃除も軽くなります。
そして、汚れた食器同士を重ねないこと。重ねると、汚れていない裏側にまで汚れが移ります。裏まで洗う羽目になるのが、地味に時間泥棒なんですよね。
順番と、つけ置きのひと工夫
洗う順番は、汚れの少ないものから。油汚れのひどいものは最後に回します。油ものを先に洗うと、あとのグラスに油が移って余計に手間が増えるからです。
木製の食器や箸は、長く水に浸けると傷むことがあるので早めに洗います。
こびりついた汚れは、事前に水に浸けておくと落ちやすくなります。茶碗のご飯粒は乾くと固まるので、食事が終わったらすぐ水に沈めるのがポイントです。
すすぎは、洗剤を落とした食器を洗い桶に溜めていき、最後にまとめてすすぐ方法が効率的です。洗い桶がなければ、大きめの食器の上に小さな食器を重ねる形でも代用できます。
つけ置きに使う水は、きれいな水である必要はありません。調理に使った湯や、パスタ・うどんの茹で汁、米の研ぎ汁を使えば節水になります。「捨てる前に洗い桶に流す」。この一手間だけなら、疲れていてもできます。
乾かす場所を先に確保する
洗い終わったら水切りかごへ。食器同士が密着すると乾きにくいので、隙間をあける、斜めに倒す、茶碗は下向きにする。これだけで翌朝の景色が変わります。
グラスなど割れやすいものは、他の食器と重ねないほうが安心です。
乾かす場所が決まっていないと、翌朝まで食器が居座って朝の家事が重くなります。「乾かす場所を先に確保する」のも、洗い物を減らす段取りのうちです。
食洗機は洗い物を減らす道具?置き場所を変える道具です
近いテーマなので、結論だけ短く置いておきます。
食洗機は「しんどさの置き場所」を変える
食洗機は、洗い物をゼロにする道具ではありません。
汚れ物を入れる作業と、乾いた食器をしまう作業は残ります。
つまり、シンクの前に立つしんどさを、別の工程に移し替える道具なんですよね。
水の量で見ると差は大きい
判断材料になる数字を1組だけ。
パナソニックは公式サイトで、食器点数40点(5人分)を手洗いした場合の使用水量を約75L、同社の卓上食洗機(NP-TH5等)の標準コースでの使用水量を約10Lとして比較しています。水の量でいえば、桁が変わる差です。
ただし洗える食器の形や量には制限があり、大きな鍋やフライパンは入らないこともあります。導入前に、自分が「洗いたくない」と思っているものが庫内に入るかを確認したほうが確実です。
電気代や機種ごとの消費電力量は、メーカー公式サイトの製品仕様とシミュレーションで、検討時点の最新値をご確認ください。数年前の数字は、電力単価が動くだけで意味が変わります。
食器の数を減らすかどうか
食器も多いほど日替わりで使ってしまい、洗う物も乾かす場所も増えます。
ただし減らすこと自体を目的にすると、暮らしの楽しみまで削ることになります。
わたしは「重ねられるか・乾きやすいか・片手で持てるか」を買うときの基準にしていて、お気に入りの小皿は残しています。
これから「作らない日」の選択肢はもっと増える
最後に、わたしなりの見通しを書いておきます。
ミールキットや食材宅配は、この数年で参入が増え、常温の冷凍タイプや置き配対応など、受け取りのハードルが下がる方向に動いています。
調理家電も、自動調理鍋や電気圧力鍋の低価格帯モデルが広がってきました。洗うパーツの少なさを売りにする機種も出てきています。
つまり、「作らない日」「洗わない日」を選ぶコストは、今後さらに下がっていく可能性が高いと見ています。
そうなると、わたしたちに残る仕事は「どの日に何を選ぶか」を決めることだけ。段取りの価値は、手を動かす技から判断の型へ移っていくと思っています。

まとめ:洗い物は「根性」ではなく「順番」で減らす
いちばん大事な一点は、洗い物は枚数より「種類」でしんどくなること。減らす優先順位は、油のついた立体物 → 場所を取る大物 → 平らな皿、の順です。
そのうえで整理すると、こうなります。
- 調理の洗い物を減らす:袋の上から押し切る、ポリ袋や食品トレーをボウル代わりに、フライパンの中で混ぜる、鍋は薄味から濃い味の順に使い回す
- 食器の洗い物を減らす:ワンプレートや丼に寄せる(1人4点前後→2点)、汁物を具だくさんにして副菜を兼ねる
- ラップ・ホイルで汚さない:包むより敷く。ただし耐熱表示を確認し、油ものとオーブンでは使わない
- どうしても無理な日:紙皿、惣菜、ミールキットや食材宅配、調理家電に頼る
- 洗うときの順番:拭く→重ねない→汚れの少ないものから→油ものは最後→溜めすすぎ
そして、結論は1つに閉じないでおきますね。
時間はあるけど気力がない日は、ワンプレートと袋カットで「出す物を減らす」。時間も気力もない日は、作らない・洗わないに振り切る。
どちらも正解です。
洗い物を減らす工夫は、たくさん覚えるほど強くなるわけではありません。自分が折れるポイントを知っていて、その一手だけを迷わず出せること。それが、毎日続く仕組みになると思っています。
なお、調理家電の選び方や食器の数の考え方は、それぞれ別の記事で詳しく扱う予定です。
よくある質問
ワンプレートにすると、洗い物はどのくらい減りますか?
献立によりますが、一汁三菜に近い配膳が1人あたり4点前後になるのに対し、ワンプレート+汁椀なら2点まで下がります。丼やカレーのように1皿で完結するメニューなら1点です。ただし麺類は鍋が汚れるので、「食器は減るが鍋は増える」点に注意してください。
ラップを敷いて加熱するとき、気をつけることは何ですか?
家庭用ラップの耐熱温度は製品ごとに異なり、サランラップやNEWクレラップは各社公式サイトで140℃と表示されています。一方、ポリエチレン素材で110℃程度のものもあります。また多くの製品で、油分の多い食品に密着させた加熱、揚げ物、オーブン、直火、グリルでの使用は避けるよう案内されています。油は水より高温になりやすいためです。使う前に手元の製品の表示を確認してください。
アルミホイルを簡易まな板にしても大丈夫ですか?
きゅうりやトマト、果物など、加熱しないものを軽く切る程度なら実用的ですが、包丁を強く当てるとホイルが切れて細かい破片が食材に混ざるおそれがあります。刃を押し当てず、切ったあとにホイルの状態を確認し、破れていたら使い続けないでください。生の肉や魚は、ドリップ漏れと破れの両方が心配なので避けたほうが安心です。
参考にした情報
- 東京ガス「ウチコト」洗い物を減らすコツに関する記事(公開2017年1月31日/最終更新2024年9月27日)
- 東京ガス「エコ・クッキング」(買い物・調理・食事・片づけの各段階での環境配慮の考え方)
- 料理ブログ「MIYU」洗い物を減らす調理法に関する記事
- Lemon8「しらす」氏の投稿(洗い物を減らす工夫・エコクッキング/2024年公開)
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」(調理器具の取り扱い、つけない・増やさない・やっつける)
- 旭化成ホームプロダクツ「サランラップ」/クレハ「NEWクレラップ」各公式サイトの製品情報(耐熱温度・使用上の注意)
- パナソニック公式サイト 食器洗い乾燥機の手洗い比較(使用水量の目安)
- 厚生労働省「令和4年版 厚生労働白書」(共働き世帯数の推移)
この記事で参照した公式情報
本文のラップの仕様と、食中毒予防・食洗機の記載は、次のページの内容にもとづいています。仕様や掲載内容は変わる場合があるので、最新のページでご確認ください。


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